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「とにかく2,000万円貯める」ことにこだわる必要はない

人生100年時代を生きるって大変なことです。老後を年金収入だけで生きていくのは難しいので、何とか70歳まで働き続けて、最後は貯めた「老後2,000万円」を取り崩して何とか生き抜いていく…というプランを、昨年6月金融庁に提出された報告書どおりに進めていこうと思っている人は多いようです。

誰かの負担にならぬよう自分たちで何とかしていこうという姿勢は立派で、その思いはリスペクトしますが、実際働き続けている高齢者の方々の話というかグチを聞かされたかぎりでは、歳を取ってからも働き続けるというのは結構キツいそうです。一見まだ若く健康そうに見えても、どこが痛い、しんどいだのと言います。それに、もし本当にずっと心身が健康であったとしても、70歳近くになっても雇う側が必要とし続けてくれるか確証はありません。

取り崩して何とかするつもりでいた「老後2,000万円」も、思わぬ長生きによって、途中で足りなくなる可能性もあります。

このように、「働く+貯めて取り崩す」は堅いと言えない部分があるので、少しでも若いうちに、「自分たちの代わりに稼いでくれる」ものを築いておくとより安心です。

2,000万円貯めることにこだわる必要はない

以前も少し触れましたが、老後に2,000万円必要と言われたら、それをそのまま信じて心配になってしまう人は多いようです。

ダイヤモンドオンラインの「貯金85万円のアラフォー新婚夫婦、家と車を購入しても老後が安心な理由」(https://diamond.jp/articles/-/240877)などでも、とある夫婦がFPに将来に不安を感じて老後資金不足の解決策を求めたりしていますが、二人の年齢はそれぞれ44歳・38歳で、世帯の手取り月収も17万円+20万円の計37万円、現時点での貯蓄は100万円しかないとあります。

一旦の定年まで20年前後しかなく、しかも年齢的にこの先は雇い続けてもらえるのかという問題も出てきますから、二人で生きていくにしても、たしかに心配にはなるはずです。

ただ、心配だと言いながらも中古でもいいから1,500万円の自宅も持ちたいとか、多少ちぐはぐなところもあるのですが、FPが出した結論としては、老後は生活費を現役時代の7割の水準にまで落とし、お互いに70歳まで働き続けさえすれば、二人が望む通りに、中古の1,500万円の自宅も手に入れつつ、完全引退までに約1,000万円の貯蓄を準備することは十分に可能としています。支出の合計は約26万円で、毎月11万円近く貯金できることから、たしかに可能なようです。

40歳以上になるとクビのリスクも考慮しなければならなくなるので、いつもならここで「40~60歳の間に働き続けて貯める」はあてにできないと言うところですが、この夫婦の場合はもともと給料(人件費)が高すぎるということはないので、プランどおりに何とか働き続けていけそうに見えます。

ですが、体がどれだけ持つかはまた別の話です。ですから、そうした将来もし働きたくても働けない状況なども考えると、ただ単純にお金お貯めることを頑張るよりも、自分の代わりにお金を稼いでくれるものを持つことのほうがもっと大事なのです。

投資をして収入を増やし、資産を築く

では、この毎月11万円の貯金を使って種銭を作り、それを投資してお金を生んでくれる不動産や株式を買っていくとどうなるかを試算してみたいと思います。毎月の貯金がなかなか大きいので、老後の安心をえるのはそんなに難しくないと思います。

まずは、1年半くらい貯め続け、どこかに最初の1件目となる中古の戸建てなどの不動産を買います。状態のいいものを買うことで、リフォーム代も最小限に抑えます。そしてそれを賃貸市場に出して広告費も多めに出せば半年もあれば入居者が付き、毎月手取りで3万円以上稼げるようになるでしょう。

不動産をひとつ持つことで、資産を築くスピードは加速します。今度は毎月11万円+3万円ということで、1年2か月程度で2件目となる不動産を買うことができます。そしてこれもまた1件目と同じように賃貸市場に出すことにします。入居者が付けば、また手取り月収が3万円以上増えます。

また一つ増えたことにより、貯めるスピードはさらに加速するので、今度は1年くらいで3件目の物件を買えます。そしてまたこれも最初の2件と同じように貸し出して、入居者を付けてもらいます。

ここまで大体4~5年ですが、毎月の収入が9万円以上も増えているので、毎月の貯金と合わせれば、さらに稼ぎを増やしていくのは簡単です。毎年1件ずつ増やすことができるので、仮にあと3年使えば、毎月の家賃収入は18万円くらいにまで増やせます。

毎月の収入は十分なので本当はあまり心配はないのですが、それでも50代に入れば少しは現金に近いものもないと何となく不安を感じたりすることもあるかもしれません。もしそうであれば、そこかからは、毎年大体4~5%くらいの配当が付く銘柄の株式への投資に切り替えればよいのです。それによって、堅さだけでなく流動性も確保できます。

毎月の貯金11万円+家賃収入18万円もあれば、ほぼ毎年、月額にして1万円の配当収入を増やし続けていくことができます(複利の効果で、実際はもう少し早くなりますが)。仮に5~6年ほど投資をし続けると、現金に近い資産(4営業日で換金できるので、大体の「急な」支払いにも十分に間に合う)も2,000万円くらいの規模になっていることでしょう。

それでもまだ定年前です。さらにあと2~3年ほど投資を続けていけば、念願だった地方の移住先での自宅の購入だって可能です。

それに、家賃と配当を合わせた毎月の副収入の総額も、妻のほうの月給を超えています。当初は二人ともずっと働き続ける心づもりでいたようですが、この額を見れば、少なくともひとりはもう働かなくても何とかなると分かるはずです。

このように、投資をして働いて得る給料以外の収入を増やしていくと、毎月の稼ぎを増やせるだけでなく、資産自体も大きく増やせます。単純に働き続ける+お金を貯め続けるだけでは、こうはいきません。

まじめに働くことは良いことですが、それができない状況も十分に起こりうるので、「他の手段」も必ず用意しておきましょう。

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