今月7日、国立がん研究センターなどの研究チームは
出産の時に羊水に母親の子宮頸がんが混入し、
赤ちゃんが産声を上げた際に、羊水を吸い込んで肺がんを発症した例を見つけたと発表した。
この発表は世界初となる事例で、論文では米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン電子版に掲載された。
この事例は2件あり、いずれも肺がんを発症したのは男の子で、
母子のがん細胞の遺伝子を解析したところ、DNA配列に同じ変異があったほか
このがん細胞には男性のY染色体がなかったため、移行したと確認された。
1組目の男の子は、免疫療法薬
「オプジーボ」
で治療でき、2組目の男の子は手術で肺がんを切除することができた。
母親2人は出産のときに子宮頸がんと診断され、そのあと死亡した。
がん研究センター中央病院の小川千登世・小児腫瘍科長は、
「小児の肺がん患者は100万人に一人もいないうえ、極めてまれな例だ」
と説明したうえで
「母親の子宮頸がんの発症を予防することが重要である」
と訴えている。
子宮の入り口付近にできる子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が主因だが
ガンの発症に至るのは感染者の一部であるとしている。
17歳未満のうちにワクチンを接種すれば発症を予防でき
定期的な検診によるがんの早期発見で治療できる。
荒川歩・小児腫瘍科医長によると
「今後、子宮頸がんの母親が出産する際、羊水を介した移行が懸念される場合は
帝王切開を行えば防げる」
と説明している。
母親のがんの子への移行はこれまで、皮膚がんなどが胎盤を通る血液を介して移行する例が知られていた。
生命の誕生という、感動の瞬間にこのような悲劇に変わってしまうのは茫然自失になります。
がん検診が、もっと身近に行えるようになってほしいものですね。














