マネー&ライフ

「貯める」ではなく「稼ぐ」が守ってくれる

しばらくなりを潜めていたお金のプロたちによる「お金を貯めて危機に備えよう!」系のアドバイスが最近また出始めてきたようです。少し収束の兆しのようなものが見えてきたもののコロナ禍の影響で困窮する人は出続けているため、いざというときのために備えておこうということなのだそうですが、はっきり言って貯金では経済的な安心を得ることは出来ません。

突然無収入になり生活できなくなるというリスクに備えるならば、お金を貯めておくよりも別の収入源を持つほうがもっと効果的です。

危機感を持つことがスタート地点

新しい世代の人たちも前の世代を見て「働く」一本で生きる道が厳しくなっていることは何となく感じてはいるようです。そのための備えとして、マネージンの「20代の貯蓄、平均額は72万円 2019年のコロナ前よりも19万円増加」によると、タイトルどおりにどの年収レベルであっても総じてお金を貯める傾向が強くなっていて平均貯蓄額が20万円近く増えているそうです。

困窮しないようにするためには単にお金を貯めるだけでは不十分なのですが、一部の人はそれも分かってはいるようで、副業やアルバイトで収入を増やすとか投資をしてみたいとか何か別の手立てが必要であることは何となく分かっている様子です。

一昔前までは経済がこういう状態になってもいずれまた良くなるだろうと事態を楽観視し過ぎて普段通り働く以外には他に何も備えていなかった人が多かったものですが、学生の頃に頑張ったお勉強・学歴がいつまでも使えない・雇用はいつでも簡単に吹っ飛ぶものと理解していて、まだ答えが見つかっていないにしても、何かを始めて備えようとしているだけ今の新しい世代の人たちは優秀です。

お金は便利な道具だけれど、安心を与えてはくれない

でも貯金だけでは備えとして不十分なのはなぜなのか。その理由はお金の特性にあります。

お金(現金)は使えば何か必要なモノやサービスに変わってくれるとても便利な道具ですが、一度使ったら手元から消えて無くなります。生き続けるためにはどうしても必要なもので、少しでもそれが減ったりすれば「生きられなくなるかも…」と不安を感じてしまいます。

ですからお金を「貯金」としていくら積み上げても、安心を感じることは出来ません。数千万円どころか仮に億円単位で積み上げることが出来たとしてもです。

それに「無くなるのが怖い・使えない」となれば、結局最初から何も持っていないのと変わりません。

貯金が全く役に立たないと言っているわけではありません。一度だけは大きな助けになってくれます。でも一回だけです。

たとえばある日突然仕事をクビになったとしても、大きな現金の積み上げがあれば再就職が難しい状況下でも数年程度は同じ生活を続けられます。ですが、その数年の間に次の仕事を何とか見つけられたとしても、まずは次の同じような危機に備えるべく貯金をし直さなければなりません。

まだ若いうちはそれでもよいでしょう。突然解雇されても再就職先を何とか見つけられるかもしれません。でも年齢を重ねるごとに新しい職を探すのは難しくなります。「働いて得たお金の一部を貯めておく⇒それを取り崩して危機に対応する」の繰り返しは、いつか出来なくなってしまうのです。

収入源自体を増やしていく

お金に関する不安を減らすためには、強く意識してもらいたいのはこの「同じ苦労を一生繰り返さないためにはどうしたら良いか」という部分です。

現金を積み上げるのは意味がない。ならばどうすればよいかというと、答えはそれほど難しくありません。「減る・無くなる」のが怖いのであれば、稼いでくれるものを持てばよいのです。

給料の一部を毎月必ず先取りで数万円ずつ貯金をする、そしてある程度の額にまで貯まったところでそれをたとえば不動産や株式などお金を生んでくれるものに持ち替えます。そうすることで、家賃や配当など毎月給料以外に別の収入を得られるようになります。

お金は使えば無くなりますが、供給し続けてくれるものを持っていれば、無くなることなど怖くはありません。

例えば家族が居るため毎年750万円近くの生活費が掛かる人が3,000万円くらいの貯金を持っていたとします。その人がある日突然クビになれば、その後は失業保険と貯金と退職金で何とかするしかありません。3,000万円もあれば単純計算で失業保険や手切れ金が尽きた後も4年は同じ生活水準でも生きられます。先程触れたとおり40前後になれば求人案件は極端に少なくなるので望んだ仕事に再度就けるまでに本当にそれだけ時間が掛かることもめずらしく無いようです。

「危機に対して貯めた現金で何とかする」という考えで居る場合はこのように、無事どこかに再就職できたとしてもその時には3,000万円のほとんどは消えており、ゼロからの再出発となります。年収も大きく落ちているケースも多いでしょう。

お金をひたすら貯め続けた人に対し、同じ3,000万円を何か別のものとして増やし続けた人の場合は、突然仕事をクビになっても経済的な状況は大きく異なります。3,000万円を何として持っているかにもよりますが、それだけ投資をしていれば、家賃や配当などで毎年数百万円を稼げているはずなので、もし同じように普段の仕事を突然クビになっても、一家の生活費750万円の大部分はカバーできているので、再就職先選びも自分の都合に合わせることが出来ます。必死になりありもしない同じような高待遇の勤め先を探し続けるようなこと、あるいは無理して合わない人たちと働き命を削り続けるようなこともしなくて済みます。

何より、3,000万円も現金という形ではありませんが、自分と共に在り続けてくれます。お金を生んでくれるもの自体は、何度使っても無くなったりはしません。

経済的な安心を得たければ、使う毎に消えて無くなるものをただひたすら貯め込もうとするのではなく、「稼ぐもの自体を増やす」に力を入れましょう。

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