マネー&ライフ

妻が専業主婦だと、本当に3億円もの損になるのか?

つい先日まで、女性が専業主婦になると生涯賃金に換算して約2億円の損になる…とか書かれていたかと思えば、今度は生涯で3億円の損とあります。

サラリーマンではないけど専業主婦世帯としては、その分なら家賃・配当・広告料で稼いでるから問題ないだろと思ったりもするのですが、

今のご時世ひとりが働いているだけではいつクビになるか分からないから、できれば二人とも働いておけば、どちらかがクビになっても即死は免れるよ、というのであれば、少しは分かります。

ですがそれにしても一人の稼ぎを3億円というのはどう見ても大きく見積もり過ぎで、本当にそれだけの損失になるかは怪しいところです。

そもそも平均年収はもっと低いはず

「専業主婦は2億円損をする」の著者によると、もともとこの「2億の損」というのもこれでも言われて仕方なく1億円少なくした(「日本の専業主婦が実は3億円も損しているワケ」(https://headlines.yahoo.co.jp/cm/articlemain?d=20200203-00032513-president-bus_all&s=lost_points&o=desc&t=t&p=2)」)とのことですが、女性の平均年収約250万円×終身雇用制度が無くならずに40年間働けるとしてすれば=定年までの年収は1億円となりますが、これに退職金の1,000~1,500万円を足しても良くて1.3億円というところでしょう。

マネーポストの「平均年収186万円、日本に930万人いる「アンダークラス」とは(https://www.moneypost.jp/531369)」によると、男女全てを含めた管理職レベルでも平均年収は約499万、普通の正規労働者レベルで370万円とあり、男性でも生涯賃金3億円に届く人はほとんどいません。

しかも、この生涯賃金には「終身雇用制度がなくならない」という、この先はほぼ期待を持てない前提条件が付きますが、最近大ブームとなっている45歳定年は、なにも男性だけを狙ったものではなく、女性も人員整理の対象になります。外資でも男女平等に切られます。

もはやひとつの職場に継続して何十年も雇ってもらえる状況ではなくなったため、生涯賃金という言葉も無意味になりつつあります。

記事中には、「世界第3位の経済大国日本で働くことは豊かさを実現しうる確実かつ簡単な方法」とありますが、その一方で以前はどこかで、「日本の一人当たりGDPはOECD内ではもはやケツから数番目程度で先行きも明るくない」と日本の将来を悲観していたような…。

もしそうであれば、そんな国でごく普通の雇われて働く人が定年までに3億円も稼げるわけがありません。

試算がまちがいかもと思える根拠はもう一つあり、

使われた統計の中では、女性正社員の生涯賃金は学歴によって1.5~2.4億円とばらつきがあるようですが(ということは、そもそもこれだけでも3億円には届かないと認めているようなもので…)、筆者も記事中で認めている通り、女性の55%が非正規雇用で働いていて、例えば大企業の派遣でも月収25万円×12カ月=年収300万円の案件は多くあるため、×45年としても3億円には遠すぎます。

ここまで年数ばかりについて注目してきましたが、雇用に関しては健康面も大きく影響します。

一般的に人は年齢を重ねるごとに病気にもなりやすくなるので、運良くクビにならなくても病気で働けなくなるリスクもあるので、先程挙げた女性の平均年収×40年=1億円強、さえ到達するのはかなり難しいようです。

今回の趣旨からは少し離れますが、労働市場に関しての見通しが少し楽観的過ぎかなと思える部分もあったので少し触れておくと、

4月から施行される同一労働同一賃金については、人を安く使い捨てる企業は淘汰されるとみているようですが、デフレが長く続いた日本ではなかなかそうはならなさそうにも見えます。

企業を見ると今まで安い給料でも幾らでも人を集められて経験から中々賃金を上げようとしない様子で、賃上げするにしても大手でなければその原資を持っていないようです。

これを機に給与水準が上がる、と希望は持ちたいところですが、雇う側としては正規雇用だけに付いている優遇措置を全て無くす形で全体的には安くする方向で進めて「これで平等は実現した」となりそうです。

妻が働けば夫もイクメンになれる・残業も断れるとありますが、働く以外に大きな収入源を持っているといった強みがなければ、実際には雇う側に対して強く出るのは非常に難しかったりします。

それほど意味はないのかもしれない

こうみると日本の専業主婦が実は3億円も損してというのは、ほぼ大きく見積もり過ぎであることは間違いなさそうですが、

一方で著者が言う通り、働かなければその分は機会損失になるのは確かではあるので、専業主婦世帯と共働き世帯を単純に比較すれば、長期の収入額合計で数千万円から1億円くらいは差が付くのかもしれません。 ですが、妻が専業主婦ということは夫がひとりでそれなりに稼いでいて実際やっていけているから成り立つはずなので、差額が出てもあまり意味はないのかもしれません。 一家の働き手が一人であっても二人であっても、貯蓄額はほとんど変わらないようです。

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