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同一労働同一賃金によって、さらにキツく

どうしても今は今年初めに発生した新型肺炎ばかりに目が行ってしまい、もうすぐ始まる大きな変化にはあまり注目が集まりませんが、今年4月から開始される同一労働同一賃金によって、働いて生きる道がさらにキツいものになりそうです。

さらなる収入減

昨年の4月からは働き方改革法案が施行されて、残業時間に規制が掛けられているため、収入が大きく減ってしまったという人もいるかと思います。

All Aboutの「新型コロナの影響も心配だけど…新年度から「収入減」が家計を襲う?」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200317-00023113-nallabout-life)によると、昨年のこの残業規制開始による影響は大きく、今年の4月から大企業と同じように対象に含まれる中小企業もあわせると、賃金の減少額は約8兆5千億円と一人当たりにして毎月約1万円強もの収入減になるという試算もあるようです。

これだけでもすでにキツいのに、4月からは同一労働同一賃金も始まります。

元々は非正規雇用の人に対する不合理な待遇差別をなくすために作られたはずなのですが、法案が作られた当初はこれによって所得が増えて経済が成長することを期待していたのかもしれませんが、内部留保を賃金に回すことができないので、多くの企業では非正規雇用の人たちの賃金を正規雇用並みに引き上げることができません。

待遇差さえなくなれば良いようなので、企業の側はこれを上手く利用して、正規雇用の人だけにある手当や特権を剥奪して非正規雇用の社員に待遇を合わせることによって、平等化を成し遂げたとすることが予想されています。実際にある元公営の事業ではすでに2年くらい前からその方向に進んで他よりも先行していたようです。

基本的には労使間で合意もなく待遇を引き下げるのは望ましくないとされているため今年からいきなりすぐ金額的に大きなインパクトが来ることは無さそうですが、企業としてはおそらく非正規雇用の人たちの思いも上手く使って正規雇用の人たちと何とか合意を取り付け長期的に徐々に賃金を抑制していくのではないでしょうか。

引き下げるばかりでは心象も悪いので、非正規雇用の人たち向けには申し訳程度に何かの手当を付け足したりもしそうですね。

一見するとこの法案は非正規雇用の人にはあまり影響がないようにも見えますが、サンキュ!の「最悪破産も!?知っておかないとヤバい!4月から始まるお金の新制度」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200317-00015745-thankyu-life&p=1)によると、場合によっては非正規雇用の人も今以上に苦しい状況に陥る可能性もあるらしく、例えば正規雇用よりも責任の軽い仕事に変更させられてしまうと同一労働ではなくなってしまうため、同じ待遇を得られなくなるといったことも起こりうるようです。

程々でよかった人にとっては迷惑?

この法律が施行されると待遇面で平等になる代わりに正規雇用と同じ責任を負うことになりますが、もともとは正規雇用と同じ責任を背負わさせれているにもかかわらず低い賃金で使われていた人を救うために作られているはずなので、これは仕方がない面もあります。

ですが企業側としてもできれば賃金を抑えたいはずなので、それほど心配しなくても、ガツガツ働きたくないという人向けには同一賃金にする必要がない雇用枠も残っていくのではないでしょうか。

いずれにしても、この法律の施行によって働く人たちの暮らしが楽になるといったことが良くなるとかいうことはまず望めず、逆に長期的には、働く人は皆等しくビンボーという道に進みそうに見えます。

この法律は民間だけではなく公的な部門にも影響があり、今までボーナスの支給がなかった非正規職員にも今後はボーナスが支給されることになるようですが、ただしその原資は元々支給されていた月給や手当を減らすことによってその減額分をボーナスとして支給する手法を取るらしく、法を守って模範となるべき部門でさえもそのような形で対応しているくらいなので、働き方改革同様にあまりいい形の影響とはならなさそうです。

この「同一」による収入減から逃れるには、組織内で管理職を目指すという道もありますが、管理職についても毎月何十万円も給料が増えるわけではなく、クビのリスク・健康リスクをより多く背負うだけなのでわりに合いません。

このように、働いて生きる道は長期的に見ればキツくなるだけなので、それ以外の手段でお金を稼ぐ方法に目を向けていきましょう。

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