マネー&ライフ

本当に「学費=将来への投資」となるのか考えるべき

これまで未婚化の主な原因としては、価値観やライフスタイルの変化などが挙げられることが多いのですが、それら以外にも、今まであまり注目されていなかった「奨学金の返済の重さ」も遠因になっているのではないかという見方が出てきました。

時間とお金を掛けて頑張ってお勉強をすれば、いつか必ずそれがお金を生んでくれる資産になる、借金を背負ったとしてもそれ以上の価値がある、と言われてやったのに、そうならず苦しんでいる人が増えてきています。

大きなお金をつぎ込む前には、それが本当にお金を生んでくれるのかよく考える必要があります。

奨学金という名の借金

ニューズウィーク日本版の「学生世代の約3割が抱える数百万円の借金は、未婚化の一因?」によると、20年前と比較して、いまは奨学金で大学に通う学生の割合は約3人に1人だとか。しかも「奨学金」といっても、実際にはそのうち約6割は「貸与型」とよばれる有利子の借金で、卒業後も十数年間にわたってその返済に追われることになるそうです。

返済の重さを調べてみたところ、労働者福祉中央協議会の 「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」 調査結果(要約)を見ると、卒業時に背負うことになる借金総額は平均して約324万円になり、返済金額は月額約16,800円とあります。

奨学金とはいっても有利子の負債となるのであれば、「正直に学生ローンと呼ぶべき」と先程の記事にもありますが、これについては確かに、調査結果でもこれをリスクのある借金であることを認識していた人は半数しかいなかったとあることから、タダでもらえるものではなく、実質借金であることを周知する必要がありそうです。

ついでに言うと、借りるにしてもこれがにレバレッジ効果の低い借金にもなり得ると、知っておくともっと良いのかも。

少し前までは、ただ普通にお勉強を頑張ればどこかでいいお給料をもらえるいいお仕事に就けたかもしれません。でも今は雇う側の志向も変わり、ただお勉強を頑張っただけの人を取らなくなってきています。結果、イメージしていたような「いいお仕事」に就けず、30代に入ってもなかなか給料が上がらない中で、ずっと苦しみ続ける・とうとう返済もできなくなった…という人が増えたように見えます。

中にはもしかして親に苦労を掛けたくないのでと、借金であることを知りつつもこれしかないという思いで進んで借りた人もいるかもしれません。ギャンブルや遊びで作った借金とは異なるので、悪いものではありませんが、本当にそれがお金を生んでくれる良い借金なのか…という視点で見ると、少し疑問は残ります。結婚に関しても、悪く見られることはまずないでしょうが、ただ経済的には苦労の多そうな人ということで、少し遠のいてしまう可能性はありそうです。

他の方法を探る

将来経済的に少し余裕を持ちたいというのであれば、お勉強に時間とお金を使う以外の方法もあります。

先程も触れたように、人を雇う側は今までと同じように普通の人を当たり前のようには雇わなくなってきていますし、おそらく学校もそうした変化にはついていけていません。大学はそもそも雇われ養成学校ではなくて学問を極める場として存在するはずなので、これは仕方がない部分もありますが、行っても無駄になる=それほど給料の高くない仕事にしか就けない可能性が高いのであれば、最初から進まないで何かの仕事に就くという選択肢もあります。

大雑把に見ると、大卒の人の平均年収は約300万円台で、大学へ行かなかった人のフルタイム勤務平均年収は約200万円台、とその差は100万円程度です。

これくらいの差であれば、もっとお勉強やお仕事を頑張るとかしなくても、例えば家賃や配当を稼いでくれる収入源をいくつか持つ等すれば、埋めることは難しくありません。

まずは毎月3万円以上を何年か貯めて投資の種銭を作り、ある程度貯まったところでまずは中古の戸建てなどの不動産を買います。10年ほど掛けてさらに貯金を続けて上がってきた家賃も再投資することで持つ数自体を増やし、そのあとは年利換算で4~5%くらいの配当が付く銘柄の株式への投資に切り替えて、配当収入を増やすようにします。

そうすることで、仮にもし現役時代を通して給料が低い状態だったとしても、給料+副収入の総額が十分に大きいので、サラリーマン一本で高給を得ている人よりも、生活に余裕を持つことができるかもしれません。20代ではまだ無理だけど、30代に入ればそれなりの経済力があり家庭を持つこともできます。

給料が高すぎない分、ちゃんと働いていれば長く使ってもらえるかもしれませんし、頑張らなくても稼いでくれるものが自分と共にあるので、キツイな…と思ったら働く時間を調整することもできます。

お勉強ができて運よく高給を得られたとして、給料が唯一の収入源であれば、勤め先の事情を優先しなければ生きられません。時間的な余裕を持つのはまず無理でしょう。しかも早ければ30代後半あたりから、積んできた学力を活かせなくなる=クビになりお金を稼げなくなる可能性もあります。

ですからお勉強の力を無条件で妄信するのではなく、始める前に本当にそのお勉強と学費がお金を生んでくれそうなのかを一度よく考えるべきかもしれません。

どんな仕事に就いたとしても、お金にも働いてもらい稼いでもらう方法を知っていてそれを実行すれば、経済的な余裕を持つことは可能です。

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